【ケダマは語る】 石田康成 第2回
2004年 10月 25日
新曲の話はもうちょっと寝かせておきます。
「この一冊」というほどではありませんが、
最近久しぶりに本を読んだので、その話。
********************************
予定がぐちゃぐちゃに狂いました。
昨夜は家に帰って山盛りの仕事を片付ける予定だったのに、
めずらしく本なんか読んでしまって。
今の会社に入ってからというもの、
資料の活字やディスプレイ上のフォントを目で追うことは多くても、
落ち着いて本を読むことは皆無になっていました。
何が僕を本に向かわせたのか。
この忙しさから解放されたい、逃亡したいという欲求はあったと思います。
でもそれ以上に、話の粗筋に魅了されてしまい、ついつい。
「出版前から話題騒然、百万人を感動させた今世紀最強の純愛物語」
そこじゃありません。
そんなところにはピクリともしません。
各メディアに登場した「世界の中心で、愛をさけぶ」を完全無視し、
読んでもいないのに「いま、会いにゆきます」を2番煎じと断ずるくらい
純愛モノには疎遠です。
琴線にふれたのはココですよ、ココ。
「モテないオタク青年が勇気を出して、意中の彼女に告白する純愛物語」
だってコレ、僕のことじゃないか。
「電車男」(新潮社刊)
ご存知の方も多いんでしょうね。「2ちゃんねる」から生まれた話です。
ネットではずいぶん前から話題になっていたそうですが、僕は知りませんでした。
本を買わずとも、検索すればネットで読めることも後になって知りました。
リアルタイムで追っかけていた人や、画面上で追体験をしたい人ならともかく、
まとめて読む分には書籍のほうがありがたいです。
読んでみました。
泣きました。
どっぷり主人公になりきっていました。
「電車男」と「エルメス」の人柄、関係性はもちろん、
そのまわりにいる「毒男」たちの助言、励まし、歓喜の雄たけびを目撃するにつれ、
何度も何度も「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」の瞬間を迎えたわけです。
(生まれて初めて絵文字を使った……。金輪際、封印します)
※以降、ちょっとネタばれを含む。読まれる予定の方は気をつけてください。
ネットで調べると本書に収録されなかった「後日談」があるらしく、
けっこう幻滅させられる内容とか。
ちらりと拝見してみましたが、どうなんですかね、
シモの話にまで及んでしまって生ナマしいということなんでしょうか。
おまけにネタ疑惑もかけられているようで、
安易に「リアル・ラブ・ストーリー」として売っている新潮社を非難する声もありました。
まぁ、いいじゃないですか。そんなこと。
金儲けを目的とした「一杯のかけそば」には腹が立ちますが、
「電車男」が壮大な嘘であっても、あ、そうか、という感じです。
ひとつの物語を、たくさんの人たちの書き込みで紡いでいった事実は疑いようがないし、
そもそも僕は単純に楽しめましたから。
「モテない男でよかった」とも思いました。
一度でもモテた経験のある人には、絶対に分からない世界があるんですよ。
誰が読んでも胸に迫ってくる内容になっていますが、
「モテない男」こそ、この物語を最強に楽しめる特権があります。
(いまだにパートナーに恵まれていなかったら、別の視点に陥っていた可能性アリですが)
で、読んだあとは、必然的にこうなるわけです。
妻を抱きしめたくなるわけです。
耳元で「ありがとう」とか言ったりするわけです。
「今度、僕らの出会いをつづった『広告男』っていうお話を書いてみようか」
と提案してみました。
「いいんじゃない」と適当に流されてしまいました。
それはそれで、モテない男の奇跡の物語だったりするんですけど。
********************************
「この一冊」というほどではありませんが、
最近久しぶりに本を読んだので、その話。
********************************
予定がぐちゃぐちゃに狂いました。
昨夜は家に帰って山盛りの仕事を片付ける予定だったのに、
めずらしく本なんか読んでしまって。
今の会社に入ってからというもの、
資料の活字やディスプレイ上のフォントを目で追うことは多くても、
落ち着いて本を読むことは皆無になっていました。
何が僕を本に向かわせたのか。
この忙しさから解放されたい、逃亡したいという欲求はあったと思います。
でもそれ以上に、話の粗筋に魅了されてしまい、ついつい。
「出版前から話題騒然、百万人を感動させた今世紀最強の純愛物語」
そこじゃありません。
そんなところにはピクリともしません。
各メディアに登場した「世界の中心で、愛をさけぶ」を完全無視し、
読んでもいないのに「いま、会いにゆきます」を2番煎じと断ずるくらい
純愛モノには疎遠です。
琴線にふれたのはココですよ、ココ。
「モテないオタク青年が勇気を出して、意中の彼女に告白する純愛物語」
だってコレ、僕のことじゃないか。
「電車男」(新潮社刊)
ご存知の方も多いんでしょうね。「2ちゃんねる」から生まれた話です。
ネットではずいぶん前から話題になっていたそうですが、僕は知りませんでした。
本を買わずとも、検索すればネットで読めることも後になって知りました。
リアルタイムで追っかけていた人や、画面上で追体験をしたい人ならともかく、
まとめて読む分には書籍のほうがありがたいです。
読んでみました。
泣きました。
どっぷり主人公になりきっていました。
「電車男」と「エルメス」の人柄、関係性はもちろん、
そのまわりにいる「毒男」たちの助言、励まし、歓喜の雄たけびを目撃するにつれ、
何度も何度も「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」の瞬間を迎えたわけです。
(生まれて初めて絵文字を使った……。金輪際、封印します)
※以降、ちょっとネタばれを含む。読まれる予定の方は気をつけてください。
ネットで調べると本書に収録されなかった「後日談」があるらしく、
けっこう幻滅させられる内容とか。
ちらりと拝見してみましたが、どうなんですかね、
シモの話にまで及んでしまって生ナマしいということなんでしょうか。
おまけにネタ疑惑もかけられているようで、
安易に「リアル・ラブ・ストーリー」として売っている新潮社を非難する声もありました。
まぁ、いいじゃないですか。そんなこと。
金儲けを目的とした「一杯のかけそば」には腹が立ちますが、
「電車男」が壮大な嘘であっても、あ、そうか、という感じです。
ひとつの物語を、たくさんの人たちの書き込みで紡いでいった事実は疑いようがないし、
そもそも僕は単純に楽しめましたから。
「モテない男でよかった」とも思いました。
一度でもモテた経験のある人には、絶対に分からない世界があるんですよ。
誰が読んでも胸に迫ってくる内容になっていますが、
「モテない男」こそ、この物語を最強に楽しめる特権があります。
(いまだにパートナーに恵まれていなかったら、別の視点に陥っていた可能性アリですが)
で、読んだあとは、必然的にこうなるわけです。
妻を抱きしめたくなるわけです。
耳元で「ありがとう」とか言ったりするわけです。
「今度、僕らの出会いをつづった『広告男』っていうお話を書いてみようか」
と提案してみました。
「いいんじゃない」と適当に流されてしまいました。
それはそれで、モテない男の奇跡の物語だったりするんですけど。
********************************
by sekiden69 | 2004-10-25 21:28 | ・メンバーコラム