ふたたび、七瀬ふたたび
2005年 12月 08日
再読っていいな、ということで、
合間を見つけては図書館で借りた
「七瀬ふたたび」を読んでいました。
誰もが一度は通るであろう筒井康隆の、しかも超メジャー作品。
再読の効果効能については、
「スメル男」を読んだときブログに書いた通りでして、
またしても今回の「七瀬ふたたび」で
脳天を割られる思いを味わいました。
「超能力者が集結して、船の上で組織と対決するお話」
おぼろげにそう記憶していたのですが、違っていました。
超能力、集結、船の上、組織と対決、
それぞれのキーワードは合っているのですが、
順序は正しくありません。
船の上で対決はしていないし。
それよりも僕の記憶の安っぽさ!
はるか昔に読んだので、そりゃまぁ覚えてないのも
しょうがないと自己弁護したくもなりますが、
かの「七瀬ふたたび」を
「超能力者が集結して、船の上で組織と対決するお話」
という認識でしか頭の中にとどめていなかったとは……。
そもそも「七瀬ふたたび」を再読としてチョイスしたのは、
「確か『スメル男』に似たような話だったよなー」と思ったから。
確かめてみたい気分に駆られたわけです。
フタを開けてみれば、組織と戦うという点が
かろうじて似ているだけであって、丸っきり別のお話でした。
ジュブナイルっぽい展開だろうとタカをくくっていたら、
想像していたよりハード。
単にエスパー物っていうだけじゃなく、
人間の存在や、それを取り巻く「何か」に言及しようとする
かなりの意欲作だったんじゃなかろうか、と思いました。
「七瀬ふたたび」をSF活劇だけじゃない視点で読めたということは、
当時読んで強烈な違和感のあった(この記憶だけは鮮明にある)
七瀬シリーズ最終作「エディプスの恋人」も、
今ならなんとなく理解できるのかもしれません。
もう一冊。
こちらは再読ではなく、初めて読む本。
「クレヨンしんちゃん」の監督として知られる原恵一の
実像に迫っています。
といっても、原恵一という名前に興味を持ったのはごく最近。
一般的にその名が知られるようになった「オトナ帝国」や
「戦国大合戦」(ともにクレヨンしんちゃん映画版)を観てからです。
世間の評価と同じく、目からウロコがぼたぼたと落ちました。
けれどずっと昔から、僕は原恵一のつくったアニメに
熱狂していたことを思い知りました。
「エスパー魔美」
ということで、
火田七瀬と佐倉魔美の「エスパーつながり」で
締めさせていただきます。
by sekiden69 | 2005-12-08 04:12