いまさら男前
2006年 03月 11日

家に帰ってみると、
コタツの上に無造作に放置された空のパッケージ。
「あ、男前豆腐!」
「そう。男前豆腐、買ってみたよ」
僕も妻も、基本的には流行りモノとか話題のモノに
ほとんど興味を示さないタイプです。
ただ、そうは言っても少しだけ気になっていた男前豆腐。
いろいろなところで
「他の豆腐よりも抜群にウマい!」と絶賛されているので、
一度くらいは食べてみたいなーと内心では思っていました。
「このあたりだと、フレスタでしか売ってないんよね」
「そういやちょっと前に、フレスタのチラシで宣伝しとったなー」
ローカルな話題を散りばめつつ、
妻がいそいそと運んできた男前豆腐。
差し出された小皿には、小さな断片しか載っていません。
「なに、これだけ?」
「あとは入れ物から取り出して、水に浸けといたよ。
水を入れ換えると、長持ちするでしょ」
男前豆腐を食べた方ならご存知でしょう。
そのパッケージは、豆腐から出る余分な水分を取り除くため、
水が底部にたまっていく「上げ底仕様」になっています。
それがウマさをつくりだすポイントのひとつとか。
ああ、それなのに、わざわざ水に浸けるなんて……。
「水道水に浸けといたよ」
巷を賑わせている逸品です。
そのセールスポイントを、これでもかというくらい無視する妻の仕打ち。
いいぞ!
それでこそ我が妻!
水道水の中で悲しく揺られる男前豆腐の姿を想像しながら、
「世の中には、お前のことをチヤホヤする奴ばかりじゃないんだぞ」
と言い聞かせたくなるのでした。
さて、その味ですが……。
小さな断片を、まずはそのまま上品に一口。
次に醤油を少したらし、ペロリ。
なんだコレ、いたって普通ですよ。
普通においしいです。
豆腐って、だいたいどんなものでも「普通においしい」ですから、
とりたてて男前豆腐をチョイスする必要はないと感じました。
僕はグルメな舌を持っていません。
どうやら男前豆腐とは、これが今生のお別れになるでしょう。
水道水の中で培養された「ネオ男前豆腐」には、
ひそかに期待していますけれど……。
by sekiden69 | 2006-03-11 00:45











