TCCに告ぐ
2007年 05月 03日
TCCに告ぐ。
あるいは、
このろくでもない、
すばらしきTCC。
さてさて、東京コピーライターズクラブ、
略してTCCの運営側に
ひとこと申し上げたいことがあります。
結果に対する疑念や憤怒では毛頭なく、
業界の片隅にいる者からの建設的なひとりごとです。
(たぶん、前向きな提案だと思うのですが……)
こんな僻地のブログに
「TCC」で検索してたどり着かれる関係者も
いらっしゃるかもしれませんので、
応募者の誰にでも起こりうる事態として、
今後の課題にしていただければ幸いです。
何があったのか。
まずはこちらをご覧ください。
■ 4/18の「ケダマだらけ」
はい、「原稿消失」です。
応募していた僕の原稿が消えてなくなりました。
こんなことってあるもんなんですね。
理由が今もって明かされていないため、
なぜ消失したのか僕には見当がつきません。
そりゃ人のやることですから、
往々にしてミスは起こりうるのでしょう。
「首都消失」よりは現実的です。
異変の始まりは、17日の3時すぎでした。
京都から岡山に移動している車中、
見知らぬ番号からの着信が立て続けに4〜5回。
その切羽詰まった感じに「出なきゃ」と思いましたが、
あいにくここは高速バスの中。
すると3時40分すぎ、
妻からこんなメールが届きました。
件名/FAX来ました
新人部門、応募済み作品の手配について
連絡したい件があるので至急連絡ください。
(株)宣伝会議 ○○○(担当者名&電話番号)
ああ、TCCだな、と直感しましたが、
受賞の連絡がくるには早すぎるだろうし、
「応募済み作品の手配」ってのがどうも怪しい。
4時すぎ、バスは岡山駅前に到着。
電話をかけて確かめてみました。
「こちらの手違いで原稿を紛失してしまいました。
もう一度送っていただけますでしょうか」
え……。
「最終審査の関係で、できれば明日の昼までに」
明日の昼……。
呆れてものが言えない、
の一歩手前の状態に陥りながら、
電話口では努めて冷静に話を聞きました。
電話の要点は、
●新人部門の最終審査は明日の18日。
●明日の昼までに届くよう送ってほしい。
●紛失したのは新聞広告の3本。CMは無事。
●ボードに貼る時間がなければ、現物のままでいい。
●審査途中で電話連絡することは原則的にないが、
今回は特例で連絡を取っている。
僕の経験上(というか岡山の常識として)、
午後4時すぎに岡山から宅急便で送り出したとして、
明日の昼までに東京に届けることは不可能です。
「明日の昼までには無理だと思いますけど……。
今から原稿を探して、準備する時間もありますし、
明日の到着時間が分かればまた連絡します」
と言って、いったん電話を切りました。
さぁ、急いで準備をしなきゃいけません。
あ、広告業界に興味のないみなさん、
そろそろ今回の内容から
脱落されてしまったでしょうか。されてますよね。
すみません、もうちょっと続けます。
この日、京都から岡山に移動していて幸運でした。
なぜなら京都の自宅には、
紛失した原稿のストックがひとつもなかったから。
古巣の会社に駆け込み、作業を開始。
「現物のままでいい」とは言われましたが、
新聞原稿を応募する場合、応募要項には
「黒ケント紙・ボード」に貼るよう但し書きがあります。
宅急便屋さんに確認すると、
今すぐ出しても1時間後に出しても
東京に着く時間は同じということで、
迷わずボード貼りをすることにしました。
岡山にストックしていた掲載紙を切り抜いて……
っていう作業に、鬱々とした気分になりながら。
これも応募する際の一手間になるのですが、
応募形態として指定されているのが
「清刷り・茶ゲラ」という状態なのですね。
実際の新聞紙って、紙質がよくありません。
そこで、文字などを判別しやすくして、
分かりやすく審査できるように、
「清刷り・茶ゲラ」というクリアな出力で
送るよう指示されています。
その通りに送っていたのになー。
出力するのに、ちょっとお金かかってたのになー。
応募形態の注意書きにはこうあります。
「やむを得ない場合は、
掲載紙を切り抜いたものでも可」。
そうか!
やむを得ない場合って、こんな場合のことなのか!
で、慌てて応募作をまとめて、近所のクロネコへ。
今からだと、どう頑張っても
明日の2時〜4時の着指定になるということ。
しょうがありません。
「早くて明日の2時から4時になるんですけど……」
「分かりました。審査時間のスケジュールを
調整するなどして、審査には必ずまわします」
一安心……、でしょうか。
審査時間のスケジュールを調整して、
なんて言われると、
逆にプレッシャーがかかるんですよね。
僕ひとりのためだけに、そんなことしなくていいよ。
ほっといてくれよ。
原稿をまとめて送付した安堵感よりも、
このままひきこもりになっちゃいそうな
澱んだ空気でした。
「念のために、データでも送っておいてください」
さらに昔のデータを探し出して、
指定されたアドレスに新聞広告の版下データを送付。
翌日ネットで、宅急便の問い合わせ検索をかけると、
「14:53」に荷物は到着したようでした。
これで終わりです。
結果、落選でした……。
最終審査の一日前に、原稿送付の再手配。
運営側も「特例で連絡した」とのことでしたから、
それ相応には慌てていらっしゃったのでしょう。
確かに、今回のようなケースを乗り越えるための
対策が講じられているとは、
電話での応対からは感じられませんでした。
連絡がつかなかったら、運営側はどうしたのかな。
原稿のストックがなかったら、どうしたのかな。
この答えを運営側が用意していたとは
思えないですもん。
そこで、提案です。
●運営側による原稿確認を、
せめて最終審査の2日前にしたらどうでしょう。
「原稿がない! 連絡だ!」と思って
一日前に連絡を入れられても、
即座に対応できない場合がありますので。
●審査段階で原稿がなくなる可能性を想定して、
原稿のストック(データ含む)の用意をしておくよう
応募者に事前告知しておいたらどうでしょう。
応募要項に補足で入れておけば安心できるかと。
●原稿を再送する場合は、
運営側が送料を負担することにしたらどうでしょう。
金額の問題というより、誠意の問題ですかね。
あの時、「着払いで送ってください!」と気遣いの
一言でもあれば、今回の僕のブログも
もうちょっと違うトーンになっていたと思います。
以上、長々と書き連ねてきたTCCの話ですが、
最後にひとつ、うれしい話を。
僕は受賞できませんでしたが、
ケダマのメンバー、ツキダさんがやりました!
今回見事に新人賞を受賞した某CMの
音楽を担当されています。
コピーライターとしての受賞ではありませんが、
協力者としての受賞、おめでとうございます!
来年のTCCにCMを応募される方は、
ぜひツキダさんに音楽を依頼しましょう。
ゲンかつぎの意味も込めて。
もちろん僕もそうします。
(石田にメールくだされば、ご紹介しますので)
※今回のエントリー、業界の方のご意見も
聞いてみたいと思います(業界の方以外でも)。
よかったらコメント欄に。
あるいは、
このろくでもない、
すばらしきTCC。
さてさて、東京コピーライターズクラブ、
略してTCCの運営側に
ひとこと申し上げたいことがあります。
結果に対する疑念や憤怒では毛頭なく、
業界の片隅にいる者からの建設的なひとりごとです。
(たぶん、前向きな提案だと思うのですが……)
こんな僻地のブログに
「TCC」で検索してたどり着かれる関係者も
いらっしゃるかもしれませんので、
応募者の誰にでも起こりうる事態として、
今後の課題にしていただければ幸いです。
何があったのか。
まずはこちらをご覧ください。
■ 4/18の「ケダマだらけ」
はい、「原稿消失」です。
応募していた僕の原稿が消えてなくなりました。
こんなことってあるもんなんですね。
理由が今もって明かされていないため、
なぜ消失したのか僕には見当がつきません。
そりゃ人のやることですから、
往々にしてミスは起こりうるのでしょう。
「首都消失」よりは現実的です。
異変の始まりは、17日の3時すぎでした。
京都から岡山に移動している車中、
見知らぬ番号からの着信が立て続けに4〜5回。
その切羽詰まった感じに「出なきゃ」と思いましたが、
あいにくここは高速バスの中。
すると3時40分すぎ、
妻からこんなメールが届きました。
件名/FAX来ました
新人部門、応募済み作品の手配について
連絡したい件があるので至急連絡ください。
(株)宣伝会議 ○○○(担当者名&電話番号)
ああ、TCCだな、と直感しましたが、
受賞の連絡がくるには早すぎるだろうし、
「応募済み作品の手配」ってのがどうも怪しい。
4時すぎ、バスは岡山駅前に到着。
電話をかけて確かめてみました。
「こちらの手違いで原稿を紛失してしまいました。
もう一度送っていただけますでしょうか」
え……。
「最終審査の関係で、できれば明日の昼までに」
明日の昼……。
呆れてものが言えない、
の一歩手前の状態に陥りながら、
電話口では努めて冷静に話を聞きました。
電話の要点は、
●新人部門の最終審査は明日の18日。
●明日の昼までに届くよう送ってほしい。
●紛失したのは新聞広告の3本。CMは無事。
●ボードに貼る時間がなければ、現物のままでいい。
●審査途中で電話連絡することは原則的にないが、
今回は特例で連絡を取っている。
僕の経験上(というか岡山の常識として)、
午後4時すぎに岡山から宅急便で送り出したとして、
明日の昼までに東京に届けることは不可能です。
「明日の昼までには無理だと思いますけど……。
今から原稿を探して、準備する時間もありますし、
明日の到着時間が分かればまた連絡します」
と言って、いったん電話を切りました。
さぁ、急いで準備をしなきゃいけません。
あ、広告業界に興味のないみなさん、
そろそろ今回の内容から
脱落されてしまったでしょうか。されてますよね。
すみません、もうちょっと続けます。
この日、京都から岡山に移動していて幸運でした。
なぜなら京都の自宅には、
紛失した原稿のストックがひとつもなかったから。
古巣の会社に駆け込み、作業を開始。
「現物のままでいい」とは言われましたが、
新聞原稿を応募する場合、応募要項には
「黒ケント紙・ボード」に貼るよう但し書きがあります。
宅急便屋さんに確認すると、
今すぐ出しても1時間後に出しても
東京に着く時間は同じということで、
迷わずボード貼りをすることにしました。
岡山にストックしていた掲載紙を切り抜いて……
っていう作業に、鬱々とした気分になりながら。
これも応募する際の一手間になるのですが、
応募形態として指定されているのが
「清刷り・茶ゲラ」という状態なのですね。
実際の新聞紙って、紙質がよくありません。
そこで、文字などを判別しやすくして、
分かりやすく審査できるように、
「清刷り・茶ゲラ」というクリアな出力で
送るよう指示されています。
その通りに送っていたのになー。
出力するのに、ちょっとお金かかってたのになー。
応募形態の注意書きにはこうあります。
「やむを得ない場合は、
掲載紙を切り抜いたものでも可」。
そうか!
やむを得ない場合って、こんな場合のことなのか!
で、慌てて応募作をまとめて、近所のクロネコへ。
今からだと、どう頑張っても
明日の2時〜4時の着指定になるということ。
しょうがありません。
「早くて明日の2時から4時になるんですけど……」
「分かりました。審査時間のスケジュールを
調整するなどして、審査には必ずまわします」
一安心……、でしょうか。
審査時間のスケジュールを調整して、
なんて言われると、
逆にプレッシャーがかかるんですよね。
僕ひとりのためだけに、そんなことしなくていいよ。
ほっといてくれよ。
原稿をまとめて送付した安堵感よりも、
このままひきこもりになっちゃいそうな
澱んだ空気でした。
「念のために、データでも送っておいてください」
さらに昔のデータを探し出して、
指定されたアドレスに新聞広告の版下データを送付。
翌日ネットで、宅急便の問い合わせ検索をかけると、
「14:53」に荷物は到着したようでした。
これで終わりです。
結果、落選でした……。
最終審査の一日前に、原稿送付の再手配。
運営側も「特例で連絡した」とのことでしたから、
それ相応には慌てていらっしゃったのでしょう。
確かに、今回のようなケースを乗り越えるための
対策が講じられているとは、
電話での応対からは感じられませんでした。
連絡がつかなかったら、運営側はどうしたのかな。
原稿のストックがなかったら、どうしたのかな。
この答えを運営側が用意していたとは
思えないですもん。
そこで、提案です。
●運営側による原稿確認を、
せめて最終審査の2日前にしたらどうでしょう。
「原稿がない! 連絡だ!」と思って
一日前に連絡を入れられても、
即座に対応できない場合がありますので。
●審査段階で原稿がなくなる可能性を想定して、
原稿のストック(データ含む)の用意をしておくよう
応募者に事前告知しておいたらどうでしょう。
応募要項に補足で入れておけば安心できるかと。
●原稿を再送する場合は、
運営側が送料を負担することにしたらどうでしょう。
金額の問題というより、誠意の問題ですかね。
あの時、「着払いで送ってください!」と気遣いの
一言でもあれば、今回の僕のブログも
もうちょっと違うトーンになっていたと思います。
以上、長々と書き連ねてきたTCCの話ですが、
最後にひとつ、うれしい話を。
僕は受賞できませんでしたが、
ケダマのメンバー、ツキダさんがやりました!
今回見事に新人賞を受賞した某CMの
音楽を担当されています。
コピーライターとしての受賞ではありませんが、
協力者としての受賞、おめでとうございます!
来年のTCCにCMを応募される方は、
ぜひツキダさんに音楽を依頼しましょう。
ゲンかつぎの意味も込めて。
もちろん僕もそうします。
(石田にメールくだされば、ご紹介しますので)
※今回のエントリー、業界の方のご意見も
聞いてみたいと思います(業界の方以外でも)。
よかったらコメント欄に。
by sekiden69 | 2007-05-03 04:12