長かった。
大学を卒業後、ちょっとずつ返しはじめて、
ようやく全額を返還しました。

僕の唯一の借金。

日本育英会。

現在は、「日本学生支援機構」なる団体名に
名称が変更されていますが、
僕らの世代にとっては「育英会」で通じますよね。

本日届いた返還完了通知。
もう自分の大学時代を思い出すことは
ほとんどないのですが、
今日は瞬間的にあの頃のことがよみがえり、
しみじみとしました。
返還完了通知の向こうに、
いろんな人の笑顔や、
いろんな場面が浮かんできました。

今まで出会ったすべての人に、ありがとう。
今まで支えてくれたすべての人に、ありがとう。
借金を返し終わった自分に、おめでとう。

ちょいと話は変わりますが……。

この１週間、本当におそろしいほど
家の中に閉じこもっていました。
１時間しか外出していないかも……。うわぁ。

もともとその傾向はじゅうぶんにあるのですが、
ひきこもりの僕を癒してくれたのは
オタ度の高いアイテムたちでした。

なかでも初音ミク。

ネットを通じて名無しの才能が結集し、
ひとつの作品が生まれ、磨かれていく……。
その可能性の象徴として、
次々と発表される初音ミクの音源やPVには
とんでもない興奮をおぼえています。

だからここ数日、ネットを震撼させている
著作権がらみのニュースは……悲しい。
現在進行中の問題だけに、
微妙な物言いは差し控えさせていただきますが、
ひとつ明らかになったこととして……。
才能のある制作者さんたちがきちんと潤うような、
これからのネット社会に適した新しい仕組みづくりが
必要なのでしょうね。
今でもやろうと思えば、
個人でなんとかできるとは思うのですが、
いろいろ煩雑な面はありますし……。

学生時代、同人誌用に友人が小説を書き、
僕が挿絵を添えました。
規模やジャンルの違いはあれ、
あの頃の僕らがやりたかったことを
初音ミクに重ねて見ているのかもしれません。

いろいろなしがらみや垣根をこえて、
無償の愛が集まっていく姿は美しいです。
その美しさに傷がつかないように、
みんながニコニコできる着地点が見つかれば
いいですね。